こんにちは、すっとんです。
東京都をはじめとするいくつかの地域で、リンゴ病(伝染性紅斑)に流行の兆しがみられるそうです。
※現在の流行状況は感染症・予防接種ナビで確認できます。
思い起こせば筆者も、小学校低学年の時リンゴ病にかかりました。
なにやらほっぺが赤いのと、腕を中心に特徴的な赤い模様が浮かび上がったように思います。
体は元気なのに、なぜ数日間学校を休む必要が あったのか?
家でじっとおとなしくしているのがとても嫌だった記憶があります。
そうなんです、たかだかほっぺや体がちょっと赤くなるくらいです。
ひょっとして怖い病気なの?
大人がかかるとどうなるの?
本日は、リンゴ病について少し調べてみました。
(参考:国立感染症研究所HP、厚生労働省HP、東京都感染症情報センターHP)
リンゴ病(伝染性紅斑)とは
リンゴ病とは、5類感染症に指定される感染症の一種です。
5類感染症は、病院などの医療機関でその感染症が見つかった場合7日以内に届け出なければいけない感染症のことで、他には風しん、麻しん、百日咳などが同じ5類感染症として分類されています。
リンゴ病の正体
リンゴ病の正体は、ヒトパルボウイルスB19の感染によるものです。
このウイルスは、下記のような特徴を持っています。
- 10日~20日間の潜伏期を経て発症
- 主な感染経路は接触感染又は飛沫感染
- 一度感染すれば、二度と感染することはない
- 約5年に一回の割合で流行する
主な症状
両頬に赤い発しんが出るのと同時に、腕や足などに赤い網目状の赤い発しんが出ます。
が、実はその一週間ほど前に軽い微熱や風邪症状があり、実はこのタイミングが最も感染しやすいとのこと。
治療方法
予防接種等はなく、熱に対しては解熱剤を処方するなど、対処療法が中心となります。
放っておいても、ほとんどの場合1週間~3週間程で症状は軽快します。
感染しやすい年齢
主に小児(4~5歳)が発症しやすいのですが、稀に大人も感染することがあります。
大人が感染した場合
大人が感染した場合は、その特徴である両頬の赤い発しんが出ることは稀です。
発熱や倦怠感、関節痛などをはじめとする風邪の諸症状と間違われることが多々あるため、実は感染しているのに気付いていない場合もあります。
受診して細かい検査を行えば確定診断が下せるかもしれませんが、現実的には確定診断が出るまで数週間を要するため、それまでには回復してしまうのが実情です。
従って、インフルエンザや流行性角結膜炎(はやり目)のように、りんご病に関して会社への出社に言及している企業はほとんどありません。
もとより、りんご病自体はほとんどの大人が既に感染して免疫を獲得しているという考え方が定着していますので、もしご自身がりんご病に感染しているかもしれないと思っても出社については問題ないでしょう。
りんご病かどうか以前の問題として、体調が悪いのであれば素直に休んだ方が良いと思うけどね!
感染対策
ワクチンによる事前予防はできません。
マスクをし、手洗い・うがいをこまめにするなど基本的な感染予防対策で十分です。
学校などの対応
特に法律等で定められているわけではなく、各自治体・学校に対応を任せているようです。
リンゴ病は怖いのか?
前述した通り、リンゴ病は5類感染症に分類される病気です。
ほとんどの場合症状がさほど出る間もなく良くなってしまうのに、なぜこのようなかたちで国に管理されているのでしょうか。
厚生労働省が定義する「感染症の分類と考え方」によると、5類感染症は以下のように定義されています。
5類感染症
実施できる措置等:発生動向の調査
分類の考え方:国民や医療関係者への情報提供が必要
つまり、そこまで意識的に怖がる必要はないけど、国民は流行っていることを知っておくべきだよ、というイメージでしょうか。
ずばりその理由は、コレです。
①妊娠中の感染
大人、特に妊娠中の方がこのりんご病に感染すると、稀におなかの赤ちゃんに影響して「胎児水腫」や「流産」を引き起こしてしまうリスクがあります。
※ただし、仮に感染しておなかの赤ちゃんにウイルスが感染しても正常なこともあるそうです。
②特定疾患患者への感染
例えばなんらかの疾患により免疫不全となってしまっている方が感染すると、持続感染(体内にウイルスが定着してしまう状態)が成立してしまう恐れがあります。
また溶血性貧血患者が感染すると、貧血発作により重篤な症状に発展する場合があります。
まとめ
如何でしたでしょうか。
2018年は、5年毎に流行するりんご病の流行期にあたる年でした。
仮に大人がリンゴ病にかかっても、健常者であればほとんどの場合ただの風邪の症状で済んでしまうでしょう。
重要なのは、妊婦さんや疾患を持つ方が感染してしまう危険です。
この5類感染症という分類制度は、妊婦さんやそのおなかの赤ちゃん、またなんらかの病気を患ってしまった方を守るために流行を知らせよう、ということなのだと筆者は解釈しています。
2018年はリンゴ病に流行の兆しがありましたが、過度に不安に思う必要はないと考えます。
流行期は人混みはなるべく避け、マスクを着用して手洗い・うがいをこまめにして感染予防に努めましょう!
では今日はこのへんで!