会社の上司や大切な人と言い合いになったり喧嘩したりと、毎日が順風満帆とはいかないのが人生です。
かくいう筆者も、時々妻と喧嘩してしまいます。
ひとたび喧嘩してしまうと、そのことばかりずーっと考えてしまうんですよね。
仕事なんか手がつかず、頭の中がそのことでいっぱいになってしまうんです。
このように、ネガティブな感情とともに「もうそのことしか考えられない!」となってしまう状態を反芻思考(はんすうしこう)と言いますが、 本日はこの反芻思考と最新の脳科学について、ご紹介してまいりたいと思います。
最新の脳科学
脳の仕組みに関する考え方
未だ脳の仕組みは非常に奥深く、その全容は解明されていません。
旧来人は、その脳の仕組みを「部位」から説明しようとしました。
例えば、
前頭葉(おでこのあたり)は物事を考えて指令を出す場所だよ、とか。
視覚野(後頭部あたり)は目で見たものを処理する場所だよ、とか。
この説明により、人は人間の脳について”おおまかに”その機能を知ることができました。
しかしながら、1990年代後半に差し掛かり高度な医療機器が次々と発明されるにつれ、だんだんとそれだけでは説明がつかない事があることも分かってきました。
結論から言えば、人間の脳は部位ごとに機能が明確に分かれているわけではなく、ある種のネットワークを構築しているのではないかという説です。
絵を書く時はAという部位とBという部位が、
運動する時はAという部位とCという部位が、
といった具合に、全く違うことをしているにも関わらず、特定の部位が同じように活性化していることが分かってきたのです。
このことから、現在最新の脳科学ではそれぞれのタスクに応じて必要な部位同士が必要なネットワークを構築して処理を行い、相互に協力しながらタスクを完遂するという考えが主流となっています。
DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)
さてそんな脳内ネットワークですが、とある1つのネットワークに注目してみたいと思います。
DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)です。
読んで字のごとく「脳が待機している状態」を指すネットワークです。
「待機してるんだから、脳は休んでるんじゃないの?」とお思いでしょう?
実は違うんです。
脳はタスク処理を行っていないとき、記憶の整理整頓など「休んでいるときならでは」の活動を見せます。
このとき脳全体で言えば、大体内側にあたるいくつかの部位が活性化しています。
これがDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)です。
逆に、積極的にタスク処理を行っている状態の脳では主に外側のいくつかの部位が活性化しており、これをWMN(ワーキング・メモリ・ネットワーク)と言います。
一説には、脳が1日に消費するカロリーのうちなんと7割程度がこのDMNで消費されているとも言われており、非常にコストパフォーマンスの悪い活動となっています。
DMNは時々暴走する
当然ですが、DMN自体は必要な処理です。
従って、それ全部が悪いというわけではないんですが。
ないんですが!
実はこのDMN、時々暴走するんです。
冒頭お話した「悩み」、例えばこれがそうです。
先述した通り、DMNでは記憶の整理整頓など、いわゆる「休んでいるときならでは」の処理を行っています。
このとき、なにか日ごろ思い悩んでいることがあると、記憶整理の過程で文字通り悩み事がフラッシュバックし、思い出すのです。
人は、ひとたび嫌なことを思い出してしまうとそれが頭の中をぐるぐると回り続けてしまうものです。
これ、前述した通り反芻思考(はんすうしこう)と呼びますが、
この反芻思考、カロリーを爆食いするんですよ。
カロリーを爆食いするってことは、当然それだけ脳がフル回転している状態ですので、当然ですが疲れます。
ひとしきり悩み抜いたときには、脳ミソさん疲労困憊です。
そんな脳みそさんで、
ブログ書けますか?
家事ができますか?
宿題できますか?
ってことなんです。
実はあなたの脳、毎日そんな疲労困憊状態で色々なことをやっているのかもしれませんよ。
DMNの暴走を食い止めよう
このDMNによる暴走、なんとか少しでも食い止めて脳の無駄遣いをやめさせたいですよね!
こんなことを試してみましょう。
悩み事を解消する
それが出来るなら警察はいらねぇ!って感じですが笑
早々に心配事を片付けてしまうのが、実は一番の特効薬です。
悩み事にもいろいろありますよね。
恋愛の悩みであればなかなかすぐ解決させるのは難しいかもしれませんが。
家事めんどくさいなぁ、宿題めんどくさいなぁ、そんな思いは意外と手をつけてしまえばイキオイでこなせてしまうかもしれません。
まずは手を付けてみる、これ結構大事です。
瞑想する
ちょくちょく出てくる瞑想笑
実はライフハックを語る上では切っても切れない関係なんです。
瞑想と言ってもそんなに難しいことではありません。
自分が一番落ち着くと思う情景を思い浮かべながら(出来ればなるべく現実世界からかけ離れた場所がいい)、呼吸に意識を向け、だんだんと思考を止めていくイメージをする、そんな感じです。
ライフハック的には10分以上が望ましいと言われていますが、筆者の場合は1~2分程度でも十分効果を実感できます。
深呼吸する
実は「呼吸」って生理学的にも非常に重要です。
- 息を吸う:交感神経が優勢になる(緊張する)
- 息を吐く:副交感神経が優勢になる(リラックスする)
という性質を持っているため、軽く息を吸ったあとなるべく長く・深く息を吐くことで、副交感神経が優勢になりリラックスすることができます。
DMNが暴走してしまっても、この呼吸を意識することでふたたびリラックス状態に戻ることが可能です。
運動する
これはもはや、いっそDMNから抜け出してしまおうという強硬策笑
でも意外と効果的、かつ理に適った方法なんです。
まどろっこしいことが苦手な方であれば、運動というタスクを処理するために脳は強制的にDMNからWMNに切り替わります。
ジョギングなどが簡単で良いかもしれませんね!
実はこれが一番有望か!?笑
まとめ
如何でしたでしょうか。
本日はDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)という脳の状態についてご紹介しました。
いやほんと、脳って奥深くて興味が尽きないおもしろいやつなんです。
すっごく複雑で難しいことを簡単にやってのけるくせに、妙に雑なところもある、いいやつなんです。
みなさんも、是非DMNをうまく活用して有意義な脳の使い方をしてみてください。
では今日はこのへんで!